クロスバイクがパンクした。→ チューブ交換しましたよ。
昼間のことです。雨も止んだし、さて乗ろうかなと思ったら、後輪がぺしゃんこでした。
ガックリですねえ。気持ちもぺしゃんこ。
この週末は久しぶりにあちこち走り回ったのですが、とくに問題はありませんでした。それにこれ、先月交換したばかりのチューブです。
とまあ、ぶつぶつ言っても仕方ないので、チューブ交換をすることにしました。
が、せっかくこんなブログも書き始めたことだし、もしかするとまだ自分の手でやったことがない人もいるだろうなと思ったので、道具やら作業の過程やらを写真入りで紹介してみようかなと。転んでもただでは起きないよと。ネタにするよとね。
サドルバッグの中身なんかも公開しちゃってます。
ちょっと見てみてください…
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まず、道具から。
(*写真はすべてクリックで拡大。赤い文字は商品情報などへのリンクです。アフィリエイトリンクはありません。)
今回は出先でパンクしたという想定で、サドルバッグの中のものだけで作業してみます。
これの前は同じリクセンのマイクロ150を使っていたのですが、自転車と一緒に盗まれました。もちろん中身も。チューブから予備のライトまでけっこうぎっしり詰まってたので、痛かったですね。
で、考えを変えて、取り外した後に持ち歩きやすい小型のものにしたわけです。ただしこれだと換えチューブが入りませんから、チューブだけは身につける方のバッグに入れてます。 サドルバッグの中には百円ショップで買ったポーチと、油染みたウェス(元Tシャツ)が入ってます。サドルバッグを外すまでもないときでも、ポーチだけ抜き出せば中身を盗られることはないので、こうしました。
ポーチの中身はこんな感じ。
左上から時計回りに、ポーチ本体、SCHWALBE タイヤレバーx2、予備の電池(CR2032x2)とパナレーサー イージーパッチ、予備の電池(単3x2)、小さなはさみ、LEZYNE V Tools 5Tools、Air Bone Super Nova、GRUNGE ポンプアダプターです。
道具類は必要十分かつ気に入ったものだけしか持ちません。とくにレザインとエアボーンはいいですねえ。いくつか似たようなものを使ったけど、いまのところこれが一番気に入ってます。見た目も機能も質感も満足してます。
はさみは珍しいかもしれないですが、刃物をひとつ持ってると何かと重宝するので必ず入れてます。今のご時世、ナイフは小さくてもアウトですからね。 あ、ポンプアダプターだけはポーチに入りきらないので、サドルバッグの天井に沿わせるように曲げて、きっちりと収めてます。
では作業のほうに入りましょうか。
私は作業を始める前に、リアのギアをトップ(いちばん小さいギア)に入れておきます。こうするとホイールの脱着が楽です。
バナナを抜いて、本体をがばっと開くわけです。細いタイヤならこれをしなくてもホイールを外せるかもしれませんが、こうしておくほうが外すときもはめるときも楽です。 次にクイックリリースをゆるめます。
ところが私はクイックリリースを使ってません。なんたって自転車を買って最初にするのが、クイックを窓から投げ捨てて、六角締めに換えることですからね、私の場合。
クイックリリースは、ホイール盗難もゆるみの事故も発生しやすいです。携帯工具でクリッとゆるめればいいだけですから、私にはまったく必要ありません。あれはレースにでも出て一瞬一秒を争う人が使えばいいでしょう。輪行する人だって工具ぐらい持ってるでしょ。というわけで、工具でゆるめます。 ホイールを下に落とすように押し下げて、フレームから外します。
チェーンがひっかかかるよー、という人は無理せず慎重に。必ず外れますから。
ホイールはスプロケットを地面につけないように置いて、車体のほうはリアディレーラーをぶつけないように気をつけましょう。曲がっちゃいますからね。ここでは手すりにサドルをひっかけて浮かせてます。 いよいよタイヤを外しにかかります。タイヤレバーの登場です。
バルブの反対側(バルブから一番遠いところ)あたりにまず一本を差し込み、タイヤのビード(ふちの固いところ)をすくって持ち上げ、タイヤレバーのおしりをスポークに引っ掛けて固定します。
そしてもう一本のレバーで、円周をぐるりと外して行きます。慣れるとレバー一本でできますが、別に三本使ったっていいんですよ。 ビードが一周全部はずれたら、リムとタイヤの隙間からチューブを引っ張り出して抜きます。
これもバルブから遠いところから始めましょう。バルブは最後に抜きます。 リムからバルブを抜くときは、キャップと根元のネジを外してくださいね。
じゃないと抜けません。 チューブ交換だけなら、リムからタイヤを完全に外す必要はありませんが、今回はタイヤの内外もしっかりチェックしたいので、ばらばらにしました。
チューブ自体はまだ新しいので、捨てずにあとでじっくり調べ、穴があれば補修して予備用に使うつもりです。 タイヤの表面をじっくりチェックして、何か刺さってないか調べます。
あ、なんかあった。
小さなガラス片が食い込んでました。でも裏には抜けてません。これが原因じゃないですね。他には何も見当たらなかったです。
(*チューブ交換ではなく「パッチで穴をふさぐパンク修理」をする場合は、チューブを抜く前にタイヤの外観をチェックしてください。そこで異常が見つかれば、チューブのどの位置に穴が開いているか把握しやすいです。チューブを抜いてしまってからでは、タイヤ側の異常とチューブの位置関係がわかりにくいですからね。) 次はタイヤの裏側を調べます。
このタイヤ(パナレーサー RiBMo PT)は、アラミドビードなので、丸々裏返すことができます。ケブラービードなど、お店で折り畳んで売ってるものはみなそうですね。ワイヤービードのタイヤでこんな風に裏返せないものは、内側をよーく見て、手で触って、なにか異物がないか確かめましょう。
今回は内側にも異常はありませんでしたが、このチェックを怠ると、せっかくチューブ交換をしてもまたすぐにパンク、なんてことになりかねないので、念入りにやっときましょうね。写真はないですが、リムのほうもよく見てくださいね。リムテープが切れてスポークの先端が出てないか等々、素手で触って確かめましょう。 タイヤのチェックが終わったら、タイヤを片側だけはめます。
(*先にチューブからはめる人もいるし、タイヤをはめる時点でチューブを中に入れておくという人もいるのですが、ここではあくまでも私の手順を説明しています。どの手順が良いかは、ご自身でお確かめください。)
これは道具要りません。手だけでできます。
このときタイヤの「進行方向」に注意してください。こういう風に矢印がついているはずですから、ホイールの進行方向を合わせてくださいね。
あともう一点、こだわる人ならば、タイヤのブランド名とホイールのロゴの位置関係を、見栄えの良いところに合わせましょう。これをやっとくと写真写りがいいですし、タイヤを外しちゃったあとでも、異常が見つかったときにチューブとの関係が推定しやすいです。
って言いながら、今回の私は合わせるのを忘れちゃったんですけどね。てへっ。 交換用のチューブです。
前輪と同じMAXXISのウルトラライトを買い置きしてたので、それを使います。このチューブ、軽くて小さくなり、値段も手頃で良いのですが、なんとなく空気が抜けやすい気がしてます。ま、いいや。
新しく買う場合は、バルブの形式(仏式、米式、英式)、直径(700cか26インチか等)、太さ(32cとか28cとか)とともに、バルブの長さにも注意してください。これは48mmの少々長めのものです。40mmでも使えるのですが、私は少し長い方が好きなのでこっちにしてます。
必要なバルブの長さは、リムの構造(高さ)によってまちまちなので、自分のホイールに合ったものを選びましょう。短すぎると空気入れの口が刺さらずに使えないし、あまりに長すぎると折れやすいです。クロスバイクで60mmのロングバルブが必要なリムを最初から履いているのはないと思いますが、もしもバルブが短すぎる場合は、バルブエクステンダーを使うこともできます。
ちなみに、チューブが対応するタイヤの太さは、極細のロード用は別として、たいていある程度の幅があります。太めでも細めでも対応範囲に含まれているのだがどっちを買おうか、というとき、私は細い方を買ってます。軽いし携帯時に小さくなるから。私の場合ただそれだけの理由なんですが、チューブというのは太め(もしくは細め)がいいのだ!という明快なセオリーをお持ちの方、ぜひ理由をお教えください。なんかありそうなんだけど。
さてようやくチューブを取り付けますが、まず少し空気を入れておきましょう。
パツンパツんにしなくていいです。ぺったんこのままだと作業がしにくいので、少々膨らむ程度に。 外すときとは逆に、バルブからはめます。
最初にバルブがきちんとまっすぐ刺さったら、根元のネジを軽く締めておくとずれませんよ。
タイヤとリムの隙間から、チューブを押し込んで、完全にリムとタイヤの中に収めてください。ねじれないように、はみ出さないように。1ミリたりともはみ出していてはいけません。 さて、いよいよ最大の難関「タイヤをはめる」作業です。
初めての人にはここが最も難しい気がします。が、一回やってみればもう大丈夫。誰にでもできます。難関でもなんでもありません。
まず最初に、バルブの付近をはめちゃいます。バルブの根元のネジをゆるめて浮かし、タイヤの中にバルブの根元を包み込むようにして戻すと素直に収まると思います。
バルブのまわりがリムの内側に入ったら、そこから左右にカポッカポッとタイヤを入れて行きます。ここでは道具は使いません。リムとタイヤの間にチューブを挟まないように十分注意しながらはめていってください。最後の二十センチぐらいまでは、難なく素手ではめられるはずです。 そしてここから先はどうしても素手でははまらないというところを、タイヤレバーを使って持ち上げ、パツンとはめます。
慣れてる人はレバーを一切使わずに手だけではめちゃいますが、ビギナーや力のない女性には難しいでしょう。ここは無理せずタイヤレバーを使いましょう。
タイヤを外すときとは表裏を逆にしたタイヤレバーをタイヤとリムの間から差し込み、リムのふちに先端を引っ掛けて、レバーの背中に乗せたタイヤのビードを、梃子(てこ)の原理でぐいっと持ち上げて、リムを乗り越えさせるわけです。
ただしこのとき、くれぐれもレバーの先でチューブを挟まないように気をつけてください。ここでチューブに傷をつけたらまたパンクです。最初に空気を少々入れましたが、もしぺちゃんこになっているようだったら少し膨らましてあげると作業がしやすいと思いますよ。 さて、無事にビードがはまったら、どこかにチューブが挟まっていないか、念のために一周くまなくチェックしましょう。タイヤを押さえながら両側をぐるっと見て行ってください。
これで問題なければ、空気入れです。 念のため仏式バルブの空気入れの方法も。
これはバルブが閉まっている状態ですね。先端のネジが締め付けられています。これでは空気が入りません。 それをこのようにゆるめ、先っぽを一度押し込んで、バルブを完全に解放します。
これで空気が入れられる状態です。 ポンプの口金をまっすぐに深く差し込み、レバーを立ててロックします(口金の形式はポンプによって違いますから、それぞれのポンプの説明書のとおりにしてください)。
口金を刺すときにへんな方向に力を入れると、バルブが折れ曲がって、何もかも台無しですから、くれぐれも垂直に、まっすぐに刺しましょうね。もちろんポンプの口金も仏式でなければなりません。仏式/米式が切り替えられるものは、仏式にしてくださいね。 ここで手元にフロアポンプがあれば、もうあっという間に空気が入るのですが、最初に書いた通り、今回は出先でパンクした設定ですから、あえてサドルバッグに入っているミニポンプ、エアボーンで空気を入れます。
ただし、エアボーン単体だと非常に使い勝手が悪いので、私は延長ホース付きアダプターを常に持っていて、こういう状態で使っています。ていうかこれじゃなきゃヤダ。
私のエアボーンは米式の口金だから、GRUNGEアダプター(旧型)が直接ネジ込めます。このアダプターはね、もう神商品と言って良いと思いますよ。今年出たという新型はポンプ側がフレンチの場合でも対応しているんですね。より一層いいじゃないですか。 空気を入れる量は、タイヤに必ず書いてあります。
このタイヤの場合は、
550-750 kPa(5.5-7.5 bar 80-110 P.S.I)
ですって。
もうなんで三つも単位が書いてあるんだろうね。自転車に使われてるいろんな単位の複雑さ、というか統一感のなさは異常じゃないかと思うんだけど、空気圧もこの有様です。
まあともかくこのうちのどれかに合ってればいいから、持ってるポンプや空気圧計の計測単位を見て、この範囲で入れましょう。私は体重もあるし、硬めでよく転がるタイヤが好きなので、たいてい720kPa程度まで入れてます。
とはいえ、今回は思いっきり小型のミニミニポンプだからね、そうは入らないでしょう、とお思いのあなた。これが結構いけるんですよ。
初めのうちはとにかくシュコシュコシュコシュコと秒速ピストンします。で、ちょっと重くなってきたなあ、と思ったらこれです。
足を使うの。
両膝の間にポンプを挟んで、股を閉じる力で入れるですよ。足は手の何十倍かのパワーを持ってますからね。手じゃちょっとだるいな、ぐらいの重さは屁でもないです。こうやって入れて行くと、たいした苦労もなく6気圧ぐらいまでは入ります。ま、こういう使い方するからGRUNGEのアダプターが手放せないんですけどね。 タイヤの固さをみながら、そろそろこのぐらいでいいだろう、というところでゲージを当ててみると、ほぼ580kPa、だいたい6気圧入ってます。もうじゅうぶんですね。
もっと入れられるけど、股も疲れて来たし、7気圧入れたければあとでフロアポンプで入れりゃいいわけですから。これで終了にします。
今回のようにチューブ交換やタイヤ交換をした場合は、入れ始めのうちに、チューブを挟んでないか、タイヤはきれいに均等にはまっているか、再度確認してください。どこかが噛んでるとパーンっと弾けてご臨終です。それから調子に乗って入れ過ぎて爆発させないようにね。携帯ポンプではそこまで入れられないとは思うけど。 空気を入れ終わったら、バルブ先端のネジをきちっと締め、
バルブキャップをかぶせて、チューブ交換は完了です。
そうそう、バルブ根元のネジは道具で締める必要はありません。緩まない程度に手で締めましょう。力任せに締め付けると、バルブの根元を傷めて新たなパンクの原因を作ることになります。 外したときと逆の手順でホイールをはめ、クイックリリース(私は六角)をきちんと締めます。
ホイールを戻すときに、リアディレイラー付近がひっかかってうまくはまらないときは、ディレイラーをぐいっと伸ばしてやると楽に入ると思いますよ。
さあ、これで復活しました。またどこにでも乗って行けます。
ってところで今日はまた雨が降り出しました。なんだかなあ。
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タイヤの空気圧管理は、自転車メンテナンスの第一歩です。
毎日乗る前には、自動車の仕業点検と同じように「ブレーキ良し!空気圧良し!クイックリリース良し!」と、最低でもこの3点だけは必ずチェックしましょう。
そして異常があればすぐに対処すること。なるべく自分でできるようにすること。
こうしてメンテナンスを重ねて行くうちに、自転車のことがよくわかり、愛着も増し、より安全に、楽しく乗れるようになります。乗るのと同じぐらい、メンテナンスは楽しいですよ。
では。
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コメント
本日scott sub30のタイヤを32cから25cに換装しました。
なかなかタイヤがうまくはまらず苦労していたところ、このページに記載の通り片側のビードを始めから落としてみたらすんなりはまりました。
貴重な情報にとても感謝しています。本当にありがとうございました。
投稿: garbagetown | 2011年4月17日 (日) 19時19分
garbagetownさま
コメントありがとうございます。
少しでもお役に立てて良かったです。
なんでも自分でやってみると自転車への愛着が湧いてきますよね。
これからも楽しくメンテ続けていきましょう。
投稿: タニグー | 2011年4月19日 (火) 04時46分
はじめまして。
同じ自転車に乗っています。
クイックリリースを同じように六角にしたいのですが、
どこで手に入りますか?
投稿: ひろし | 2011年12月 2日 (金) 23時48分
ひろしさま
コメントありがとうございます。
私のはHALO(ハロー)のHEX KEYスキュワーという商品ですが、行きつけのスポーツバイク店の在庫品でした。Tranz XやBBBなどの製品も店頭でよく見かけます。
もしもお近くのお店になければ通販でしょうか。Amazonでも売ってますね→ http://amzn.to/v3EXNf
「スキュワー」で検索するともっとたくさん出てくると思います。
お気に入りのが見つかりますように。
投稿: タニグー | 2011年12月 3日 (土) 01時28分